準備なき留学は効果なし
おそらく巷の英語学習法で、一番誤った考えはこれでしょう。さすがに最近はあまり聞かなくなりましたが、昔は良く聞きました。海外に行けばすぐに話せるようになると。しかしそれは、ある条件がないと、成り立ちません。私の見る限り、きちんと海外の大学を卒業してきた人はかなり英語が堪能です。しかし、語学留学となると、かなりお粗末です。
大学に行った人は、Reading, Listening, Speaking, Writingとかなり鍛えられているようです。英単語もよく知っていますし、話す英語もしっかりしています。4年間という年月の長さもその理由の一つなのでしょう。友人との会話ももちろん英語です。
一方、語学留学組の英語力はイマイチのようです。聞くと、日本人同士で固まって、普段は日本語だそうです。なので簡単な買い物はこなせるけど、突っ込んだ議論ができないのです。大学に比べれば、指導の限界もあるのでしょう。授業時間も長くありません。そもそもコースもせいぜい数ヶ月で、一番上の授業レベルもそれなりとのこと。それでも学校や家庭でしっかり勉強している人たちは相応に伸びているようですが。
そういえば昔アメリカに仕事で行ったときに一人でタイレストランに入ったのですが、その時に驚くべき英語を聞きました。いまだに忘れることが出来ません。中に入るとマネージャーらしき男の人がやってきて言うのです。
Is you like table?
衝撃的でした。アメリカで長く働いている様子ですが、怪しい英語を話すのです。意味はもちろんわかります。一人で行ったので、「(カウンターもあるが、)テーブルが良いか?」という意味です。こんな怪しい英語でもアメリカで働いていけるのです。つまり、海外に行けば英語がペラペラになるというのはこの例一つをとっても疑わしいということになります。英語なんて話せなくてもなんとかなると、昔語学留学した知人が言っていました。そういえば、昔仕事でアメリカに行く途中、乗り継ぎ予定の飛行機が故障で他の飛行機を待つハメになった時のこと、英語を全く話せない年配の日本人に頼まれて代わりの便を手配してあげましたが、彼がアメリカに7年住んでいると聞いて驚愕したのを覚えています。彼も英語が話せなくても何とかなると言っていました。
一方私の経験ですが、初めて仕事で1ヶ月アメリカに行った時のこと、自分の英語力が飛躍的に伸び、TOEICの点数も100点あがったことがありました。ですので、日本でしっかり勉強してからいけば、その成果は1ヶ月でも出ると思います。思うに、英検で2級くらい、TOEICで600点くらいの力を国内でつけてから留学すれば、語学留学でも非常に効果があるだろうと言えると思います。逆にそのレベルに達していないのに、留学すればペラペラになれると思って留学する人はあまりのびてないかな、と思います。もちろん初心者でも1,2週間の留学はかなり良い刺激になると思っていますので大いに行くべきです。
なので、私が反対する最悪なパターンは、日本でたいして英語の勉強をしていないのに、海外に住めばペラペラになると思い込んで留学し、留学先でも日本人とつるんでいる事だと思います。
結論:
海外に住むだけでは英語力は伸びない。本気で勉強して常に英語を使うようにしなくてはならない。特に語学留学でペラペラになるというは幻想。ある程度国内で英語力を伸ばしてから行けば短期間でも相応の効果はある。だが初心者が短期間だけいくのはかなり良い刺激になるので是非行くべき。